(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。
1. 健康のために階段を躋升する。
2. 鐃吹している音が響く。
3. 涅歯をする風習が昔はあった。
4. 施髢をして出かける。
5. 瑇瑁の生態を研究する。
6. とんでもない天祚に恵まれる。
7. 匳幣の資金を捻出する。
8. 上の地位を覬幸する。
9. 彼は会社で拮据している。
10. 杲乎として天に登るが如く。
11. 花腮な女性に一目惚れする。
12. 長い毛を綰髪する。
13. 巒丘を撮影する。
14. 悁悒とした気分で過ごす。
15. 駕籠かきのことを舁夫という。
16. 罪人を椹質に乗せる。
17. 失敗を起こして赧然する。
18. 傷口を鍼黹して治す。
19. 来客が踵門する。
20. 友人との瓊筵を楽しむ。
21. 貎は想像上の動物である。
22. 轎に人を乗せて運ぶ。
23. 鍠を担いで歩く。
24. 筱が生い茂っている。
25. 風格が寝い人物だ。
26. 帰ぐ先であっても修行は必要だ。
27. 沢山のものが彬わってできている。
28. 紙の柮を繋ぎ合わせて絵を作る。
29. 他人に讒をして仲を乱す。
30. 動物園の馬の美しい驃が靡く。
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19,20は国字でかけ。
1. 学術本をナズるように暗記する。
2. マンダラの配列を眺める。
3. 国賊が地位をサンダツする。
4. ケンサクを用いて狩りを行う。
5. 軍隊ではホフク前進で移動する。
6. タンポポの種を購入する。
7. 危険ながらタンスイに飛び込む。
8. 探したタンスイを貯めた水を使用する。
9. ゲンメツして煩悩をなくす、
10. 畑をグウコクする。
11. 在庫の物がキボウする。
12. カテメシを炊く。
13. ホソを植え野菜を作る。
14. 彼のムカツさは親譲りだ。
15. ラクバクとした風景が広がっている。
16. 競馬界のリョウテイを飼育する。
17. 薬剤にトドクする。
18. トドクされた紙の残骸がある。
19. スバシリは鯔の稚魚である。
20. カザリ職の技を受け継ぐ。
(三)次の1~5の意味を的確に表す語を、下の「 」から選び、漢字で記せ。
1 急ぎ足に走ること。
2 他国を侵略して領土を奪う。
3 世の安らかなこと。
4 天地。宇宙。
5 大詩人のこと。
「かんう・しゅそく・すいねい・せんたく・ちく・ちだつ・どんぜい・ふうさい」
(四)次の四字熟語について問1と問2に答えよ。
問1 次の四字熟語の1~10に入る適切な語を下の「 」から選び漢字二字で記せ。
1. ( )蔵刀
2. ( )蓮台
3. ( )多端
4. ( )降霜
5. ( )積玉
6. 虎擲( )
7. 禾黍( )
8. 嘔心( )
9. 踰牆( )
10. 揺頭( )
「きけい・くほん・げんぽ・さんげき・しょうり・すうえん・はいび・ゆうゆう・りょうだ・れきけつ
問2 次の11~15の解説・意味に当てはまるものを問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。
11. 必要以上に過保護に育てられる。
12. 賢者が登用されず民間にいる。
13. 相手に最高の敬礼をする。
14. つまらない者が親戚の力を借りる。
15. 身近にあるものを遠くに求める愚かさ。
「乳母日傘・侯覇臥轍・蒹葭玉樹・騎驢覓驢・在邇求遠・白駒空谷・嗷嗷待哺・厥角稽首」
(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。
1. 満江紅
2. 樗蚕
3. 小雉尾草
4. 楓蛾
5. 昆欄樹
6. 淋滲
7. 洋玉蘭
8. 省沽油
9. 狼尾草
10. 紫雲英
(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送り仮名に注意して)ひらがなで記せ。
1. 韞玉 - 韞む
2. 甄陶 - 甄る
3. 褻瀆 - 褻る
4. 冉冉 - 冉やか
5. 品騭 - 騭める
(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の「 」の中から選び、漢字で記せ。「 」の中の語は一度だけ使うこと。
1. 融解
2. 攻撃
3. 直近
4. 大人
5. 頻繁
6. 高根
7. 綵雲
8. 神輿
9. 休息
10. 宮殿
「えきえん・えんざ・かんぎょ・こうかん・ことう・しんれい・ちょうよう・どうじ・ほうれん・りょうらく」
(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。
1. ヨウシすら且つ侯たり、吾が属、患いなけん。
2. ヘイビなれば則ち礼を没す。
3. コエンビョウとして何処ぞ、帰思方に悠なるかな。
4. セッカ食らわれず。
5. 湯武はガクガクを以って昌えたり。
6. センリョウ、用うる勿れ。
7, チョウキョウ帰りなんか、食に魚なし。
8. チョウ足らず狗尾続く。
9. 嗒焉として其のグウを失う。
10. ゾウホウを貴ぶ。
(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。
よく1ハヤクという事をいうが、活動写真にはやくというべきものはないように思われる。どれもこれも(ア)総てが何らかの意味で働いているように思われる。それから室の装飾の如き物は総てその場に出ているものに調和したものが、即ち趣味を以もって置かれている。決してお義理一遍になげやりにただ舞台を飾るというだけに置かれてあるような事はない。総てにおいてその時代やその人物やその他に調和するよう誠実に舞台が造られているのである。
或る日自動車に(イ)轢かれて死んでしまった。博士は自分の発明した術を以って、娘を生き返えらせたのであった。ところが人間という物質としては再びこの世に戻って来たが、かつての優しい心根は天に昇ってまた帰すすべもなかった。物質的に生き返って来た娘の精神もまた、物質的となって再生後の彼女は前と打って変った性格の女となって世にあらゆる害毒を流すのであった。その中うちある医者から、あなたは激怒した場合に、必らず死ぬということをいわれた。彼女はこの事が気にかかって、或る時父なる博士に向って、もし私がまた死んだ場合には、前のように生き返らせてくれと頼んだけれども、父は前に懲こりて拒絶したので、彼女は再三さいさん押問答の末(ウ)終に激怒したのであった。その瞬間彼女の命は絶えた。
博士はさすがに我が子のことであるから、再び生き返らせようとして、彼女の(エ)屍に手を掛けたが、またも世に出る彼女の前途を考えて、終に思い止とどまり、かつその発明をも捨ててしまったのであった。
要するに物質的の進歩が、精神的に何の効果も(オ)齎らさないという宗教的の画面に写し出されたものであったが、私の見たのはそれ以外に何か暗示を与えられたように感じたのであった。後から後からといろいろな写真を見ていると、大方は印象を残さずに忘れてしまうのであるが、こういうトラヂエデーは、いつまでも覚えていて忘れないのである。
「『活動写真』 淡島寒月」
ホームズは身を震わせ、再び咳とも(2)オエツともつかない音を出す。
私はホームズの発言を前後まとまったものとして書き、そのあいだに挟まれるあえぎ声や、頻りに動く手などを、彼の受けている苦しみとして描き出すつもりはない。ホームズの様子は一緒にいたわずか二、三時間のうちに、いっそう悪くなっている。消耗熱の(3)ホッシンも顕著になり、両目も以前より深くくぼみ、いっそうぎらぎらしている上に、冷や汗さえ額に認められる。とはいえ、それでも口調はいつもの(4)インギン無礼。息を引き取るまでずっと負けず嫌いでありたいのだ。
一緒には行けないと何か口実を作って。忘れるな、ワトソン。へまはせぬように。今までも一度としてなかったが。間違いない、生物の増殖を妨げる自然の敵がいるのだ。君と僕は、ワトソン、自分の本文を果たしている。だから、世界を(カ)牡蠣などに(5)ジュウリンさせてたまるか。
下で辻馬車の呼子を吹いて待っていると、ひとりの男が(6)モヤのなかから近づいてきた。
馬車がやってきたので、私はお(キ)暇した。
ロウア・バーク街は立派な邸宅の連なった通りで、ノッティング・ヒルとケンジントンとのちょうど境目にあった。しかも馬車を寄せた家というのは、たいそうご立派なものらしく、古風な鉄柵、荘重な門扉、(7)シンチュウの造作、そして色電灯の放つ紫の光を背に受け現れた威儀ある執事に至るまで、見事にすべて調和していた。
私はホームズのことを考えた。病床でもがき、おそらくいつ助けを連れ帰るかと時を数えているだろう。今は礼儀にこだわっている時ではない。ホームズの命は私の迅速な行動にかかっている。執事が済まなそうに言伝を持ってくるより先に、脇を(ク)掏り抜け、部屋に滑り込んだ。
激高の声をあげてひとりの男が、暖炉脇の倚椅子から立ち上がった。目の前に見えた男の大きな顔は、品がなく脂ぎっていて、(8)サイギシンに満ちていた。太い二重あごに、獣のように光のない灰色の(9)ソウボウ。もじゃもじゃの砂色の眉の下から私を(ケ)睨みつけている。
はげ上がった頭には、小さい(コ)天鵞絨の喫煙帽が、そのつるつるの片方へ寄りかかるように乗っかっている。(10)ズガイコツはとてつもない容積だったがそのまま下に目をやって驚いた。この男の体躯はひょろひょろで小さく、おまけに肩から背に掛けてねじれていて、この男、子どもの頃、大事故にでも遭ったのだろうかと思えるほどだ。
「『瀕死の探偵』 東 健而」
模範解答
(一)
1:せいしょう
2:どうすい
3:でっし
4:してい
5:たいまい
6:てんそ
7:れんぺい
8:きこう
9:きっきょ
10:けいえん
11:こうこ
12:かさい
13:わんぱつ
14:らんきゅう
15:えんゆう
16:よふ
17:ちんしつ
18:たんぜん
19:しんち
20:しょうもん
21:しし
22:やまかご(くるま)
23:まさかり
24:しのだけ
25:みにく
26:とつ
27:そな
28:きれはし
29:つげぐち
30:しらかげ
(二)
1:擦
2:曼荼羅、曼陀羅
3:簒奪
4:羂索
5:匍匐
6:蒲公英
7:湍水
8:潭水
9:還滅
10:耦耕
11:匱乏
12:糅飯
13:圃蔬
14:無勝
15;落莫
16:竜蹄
17:荼毒
18:蠹毒
19:鯐
20:錺
(三)
1:趨走
2:呑噬
3:綏寧
4:覆載
5:謫仙
(四)
ア:笑裏
イ:九品
ウ:詭計
エ:鄒衍
オ:玄圃
カ:竜拿・挐
キ:油油
ク:瀝血
ケ:鑚隙
コ:擺尾
11:おんば
12:はっく
13:けっかく
14:けんか
15:きろ
(五)
1:あかうきくさ
2:しんじゅさん
3:たちしのぶ
4:しらがたろう
5:やまぐるま
6:つつげ
7:たいさんぼく
8:みつばうつぎ
9:ちからしば
10:れんげそう
(六)
ア:うんぎょく-おさ
イ:けんとう -つく
ウ:せっとく -あなど
エ:ぜんぜん -しな
オ:ひんしつ -さだ
(七)
1:凅凍
2:捍禦
3:迢遥
4:僮児
5:廖落
6:岑嶺
7:光冠
8:鳳輦
9:讌坐
10:掖垣
(八)
1:雍歯
2:幣美
3:故園眇
4:碩果
5:諤諤
6:潜竜
7:長鋏
8:貂
9:耦
10:蔵鋒
(九)
1:端役
2:嗚咽
3:発疹
4:慇懃
5:蹂躙
6:靄
7:真鍮
8:猜疑心
9:双眸
10:頭蓋骨
ア:すべ
イ:ひ
ウ:つい
エ:しかばね
オ:もたら
カ:かき
キ:いとま
ク:す
ケ:にら
コ:ビロード