3588時間目 ~漢検一級~
次の問いに答えよ。
漢検一級配当読み
次の漢字の読みを記せ。
Ⅰ 佞惑
Ⅱ 厲魄
Ⅲ 摘鑷
Ⅳ 罰籌
四字熟語・諺
次の四字熟語・諺の読みと意味を記せ。
Ⅰ 血縷を濡す
Ⅱ 素以て絢を為す
Ⅲ 河図洛書
当て字・熟字訓
次の当て字・熟字訓の読みを記せ。
Ⅰ 雲脂
Ⅱ 辛夷
Ⅲ 看督長
特別問題A~数学~
Oを原点とする座標空間において、点A(1,0,0)をxy平面内でOを中心として角θ(但し、0≦θ≦π/2)だけ回転して得られる点をPとする。次に、Pをx軸のまわりに角2θだけ回転して得られる点をQとする。但し、Qのz座標は負でないものとする。
(1) Qの座標をθで表せ。
(2) Qからxy平面に下ろした垂線とxy平面との交点をRとする。θが0≦θ≦π/4の範囲で変わるとき、Rの描く曲線とx軸とで囲まれるxy平面内の図形の面積を求めよ。 [千葉大]
特別問題B~数学~
とある「ガチャ」は2%で当たりを引くことができる。一方、コインを回し、表が出たら「勝ち」、裏が出たら「負け」とする。また、コインの表裏は同じ1/2の確率で出るものとする。(※この問題は計算機を用いてもよい)
(1) 「ガチャ」において、当たりを引くことをコインでいう「勝ち」とする。100回ガチャを行ったとき、その「ガチャ」に勝つ確率を求めよ。
(2) 次に、コインでいう「勝ち」になる確率について、「ガチャ」においてn回ガチャを行ったとき、コインで勝つ確率が「ガチャ」で勝つ確率を上回るnの最小値を求めよ。
(3) コインを回し、勝ちのときは賞金を貰えるものとする。1回目は1円、2回目は倍の2円、3回目は倍の4円・・・と倍になるものとする。このとき、「胴元が無限の支払い能力を持つ」とするとき、参加費に関わらず儲かることを示せ。
特別問題C~英語~
次の英文はとある英単語を英英辞典で引いたものである。その単語は何か。
(1) a type of small orange without seeds and with loose skin that comes off easily
(2) a problem, worry, difficulty, etc. or a situation causing this
(3) a formal written, spoken or practical test, especially at school or college, to see hou much you know about a subject, or what you can do
3588時間目模範解答
漢検一級配当読み
Ⅰ 佞惑・・・ねいわく
意味:へつらいまどわすこと。
Ⅱ 厲魄・・・れいはく
意味:悪いたましい。
Ⅲ 摘鑷・・・てきじょう
意味:毛抜きの類を言う。
Ⅳ 罰籌・・・ばっちゅう
意味:罰杯のかずとり。
四字熟語・諺
Ⅰ 血縷を濡す・・・ちる(を)うるお(す)
意味:刃物のきわめて鋭利なたとえ。
Ⅱ 素以て絢を為す・・・そもっ(て)けん(を)な(す)
意味:天性の美しさの上にさらに化粧を施すたとえ。
Ⅲ 河図洛書・・・かとらくしょ
意味:めったに手に入れることができない図書のこと。
当て字・熟字訓
Ⅰ 雲脂・・・ふけ
概容:頭の皮膚に出来る、角質に分泌物が混じって乾いた、うろこ状の白いもの。
Ⅱ 辛夷・・・こぶし[植]
概容:モクレン科の落葉高木。
Ⅲ 看督長・・・かどのおさ
意味:平安時代、罪人の逮捕や牢獄の看守をした役人。
特別問題A~数学~
(1) 題意より、P(cosθ,sinθm9)であるから、Q(cosθ,sinθcos2θ,sinθsin2θ)
(2) R(x,y,0)とおくと、x=cosθ、y=sinθcos2θ(0≦θ≦π/4)、θを消去すると
y=sinθ(2cos2θ-1)=√(1-x2)(2x2-1) (1/√2≦x≦1)
よってRの描く曲線は図のようになり、x軸とで囲まれる部分の面積Sは
$S=\int^1_{\frac{1}{\sqrt2}}ydy=\int^0_{\frac{\pi}{4}}\sin^2\theta\cos2\theta d\theta=\int^{\frac{\pi}{4}}_{0}(1-\cos2\theta)\cos2\theta d\theta$
2θ=tとおくと
$S=\frac{1}{4}\int^{\frac{\pi}{2}}_0(1-\cos t)\cos tdt=\color{\red}{\cfrac{1}{4}\left(1-\cfrac{\pi}{4}\right)}$
特別問題B~数学~
(1) 100回行って負ける確率は0.98100、したがって、勝つ確率はその余事象だから、1-0.98100=0.87
(2) 0.98n>0.5となる最小の自然数を求めればよい。両辺に対数をとって、n>log0.5/log0.98
ここで、log0.98は負であることに注意する。log0.5/log0.98=34.3096<nだから、ガチャに勝つ最小のnはn=35
(3) 賞金の期待値をWとする。「胴元が無限の支払い能力を持つ」と仮定すると
\[ \sum^\infty_{k=1}(\frac{1}{2^k}\cdot2^{k-1})=\frac{1}{2}+\frac{1}{2}+\frac{1}{2}+\cdots=\infty \]
となる。したがって、期待値Wは+∞に発散するので参加費に関わらず儲かることが示された。
※小話:例のアレ(きらファン)とサンクトペテルブルクのパラドクス
きらファンなどのガチャに「勝つ」というのは(2)のnで決まるが、半分の確率で出れば勝ちか、80%で出れば勝ちか(その場合は0.5を0.8にすればよい)は自由である。
(3)は実際胴元がそんな財産があるわけではないのでこの場合対数関数的効用を用いる。このときは対数をとり
\[ \sum^\infty_{k=1}\{(\frac{1}{2^k}\log(a-b+2^{k-1})\} \]
※(aは掛け金の総資産、bは掛け金の価格)とすると、前式は有限値をとる。
掛け金の価格目標を定めるときはbを求めるとよい。このとき前式よりb=loga (底は自然対数)となり、bが100万円ならばa=13.81…となり、14円も払う価値すらない。勘のいい人はわかるが、公平なゲームを行うならば、n回ゲームを行う時の公平な値はnlog2nとなることが知られている。
特別問題C~英語~
(1) satsuma
(2) trouble
(3) exma
※小話:英語で薩摩は種無しミカンの意味である。