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残念ながら難易度は考えてない。
難しくすると漢検も難易度が上がり、簡単にすると面白くないとも言われ・・・


(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。

(1) 現在多くの若者がコロナ禍によって貧阨している。
(2) 珥筆して推敲する小説家の描写がよくある。
(3) 天皇陛下の前での無聊な態度はやめなさい。
(4) 大物政治家が贓穢したとして逮捕された。
(5) 中国ではまだ一人っ子政策のしこりとして未傅が存在する。
(6) 今年の年末年始には屠蘇を嗜む予定だ。
(7) 空き家の庭には、雑草が葆葆とした様子がうかがえる。
(8) いくつかの誤植を補苴する。
(9) 軽佻な発言によって国を混乱したことに謝罪します。
(10) 突然として影靡なものがちらちら見え始めたら偏頭痛のサインだよ。
(11) 10年前の青衿の時代が懐かしく感じる。
(12) いつも私に嫣然とするので脈があるのかと勘違いした。
(13) 彼はまだ庸中の佼佼として一目置かれていた。
(14) 人柱を捧げて瑟瑟儀を行う歴史がこの村にはあった。
(15) まだまだ駑駘な者として修業に励んだ。
(16) 来訪者のおもてなしとして糝薯を振る舞う。
(17) 歯齦に炎症があるとしてしばらく歯科通いとなった。
(18) 人間はとても棗穣金な人です・・・特にお前。
(19) トムとジェリーの話の中には、悪いことをすると蓖麻子油の刑としてそれを飲ませるものがあった。
(20) ノーマスクノーワクチンの人を辟人するようになった。
(21) 傾城のにはまる家屋敷となる。
(22) 杯杓にえず、それ以上飲まされてついに嘔吐した。
(23) 攀援して登り、箕踞してぶ。
(24) お歳暮として国産牛をる。
(25) 自分の名をり、以て要職に就かんと欲す。
(26) 善行蒼穹をち天福を以て之に報ゆ。
(27) 烏鳶の卵たざれば而る後に鳳凰集まる。
(28) 深淵たるい海の底へ、沈んでしまへ!
(29) に耳あり、伏寇側に在り。
(30) 虎豹の文はりを来す。

(二)次の傍線部分のひらがなを漢字で記せ。19,20は国字でかけ。

(1) 北海道から九州まで、へきえんの地を電車で移動する。
(2) チーナ・スターナと呼んだのに基づき、中国をしんたんということもある。
(3) 自動車の車輪がでいねいにはまってしまう。
(4) 認知症が悪化し、はいかいしょうを患う。
(5) 助けてれ。
(6) 登山をするためあしごしらえをする。
(7) いささかもこつしょに申す者なかりけり。
(8) こつそしょうしょうが原因として車いす生活になってしまった。
(9) 戦いの最後としてちょうびの力をふるう。
(10) ふていの輩を教室外におい出す。
(11) 長いかんばつのため飢饉が起こる。
(12) エストラテネスのふるいを用いて素数を割り出す。
(13) いまだに悪党がちょうりょうする世界である。
(14) その戦争によって彼にはちょくしが賜われた。
(15) 一般的に、蝶や蛾はないしるいに分類される。
(16) とある界隈では、眞子さまの結婚はないどをねらったものではと言われている。
(17) はいせんを用意して宴会を嗜む。
(18) はいせんとはサイクロイドのことである。
(19) かずのこのプチプチ感がたまらない。
(20) やがて・・・ろう。を使って、短文を作りなさい。

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を、下の「 」から選び、漢字で記せ。

(1) 豆腐のことを言う。
(2) 雪の異称。
(3) 漠然とした時。一時。
(4) 狩りの時に鳥獣を通った跡を見て、その居場所を考えること。また、その人。
(5) 二人が差し違えて死ぬこと。

「ぐうし・さんまや・じんろく・ずいか・そうさい・とみ・むつき・ろくやた」

(四)次の四字熟語について問1と問2に答えよ。

問1 次の四字熟語の1~10に入る適切な語を下の「 」から選び漢字二字で記せ。

ア 三足( 1 )
イ 草満( 2 )
ウ 精神( 3 )
エ 蚕食( 4 )
オ 婦女( 5 )
カ ( 6 )雀躍
キ ( 7 )千万
ク ( 8 )僕僕
ケ ( 9 )徒増
コ ( 10 )画塗

「うつおう・げいどん・すいはん・ていりつ・どうもう・ばし・ふうじん・ふすう・ふらち・れいご」

問2 次の11~15の解説・意味に当てはまる四字熟語を下の「 」から選び、その傍線部分だけの読みを平仮名で記せ。

11 見ることも聞くこともしないこと。
12 歳を重ねてますます徳が増すこと。
13 女性が苦労するさま。
14 はるか彼方から降り注ぐ光のさま。
15 非常に苦しみ、あてもなくさまようさま。

「毛骨悚然垂頭塞耳・亭亭皎皎・年高徳邵・美人薄命飛絮漂花・顚沛流浪・淒淒切切」

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。

(1) 倫敦
(2) 女郎花
(3) 人面竹
(4) 産霊神
(5) 呉桃
(6) 燐寸
(7) 年魚
(8) 女無天
(9) 祝歌
(10) 胡黄蓮

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送り仮名に注意して)ひらがなで記せ。

ア 鬻卦 - 鬻ぐ
イ 戡定 - 戡つ
ウ 抔飲 - 抔う
エ 皁絹 - 皁い
オ 僮昏 - 僮か

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の「 」の中から選び、漢字で記せ。「 」の中の語は一度だけ使うこと。

(1) 称賛
(2) 長生
(3) 丁男
(4) 仕官
(5) 三十棒
(6) 二月
(7) 衆合
(8) 害悪
(9) 三昧場
(10) 虚言

「きつじょ・きんかく・きんし・けいかん・こうじょく・せいざん・とどく・ねいげん・もうたん・ようこん」

(八)次の故事・成語・諺のひらがなの部分を漢字で記せ。

(1) にしんの頭は鶴の味がする。
(2) 大象とけいに遊ばず。
(3) 死虎はそせいに如かず。
(4) 反りくじを食わせる。
(5) 君子蕩蕩として小人せきせきたり。
(6) 舜はしこうなり五十にして慕う。
(7) ていにゅうせばすなわち帰るを得ん。
(8) 貧なれば学ばずして倹、富なれば学ばずしてしゃ
(9) 水行してこうりゅうを避けざるは、漁父の勇なり。
(10) 処世は太潔を忌み、至人はぞうきを貴ぶ。

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。

数十年前のことである。江東の或る1アキンドの左の二の腕に不思議の腫物が出来た。その腫物は人の面の通りであるが、別になんの苦痛もなかった。ある時たわむれに、その腫物の口中へ酒をそそぎ入れると、残らずそれを吸い込んで、腫物の面は、酔ったように赤くなった。食い物をあたえると、大抵の物はみな食った。あまりに食い過ぎたときには、二の腕の肉が腹のようにふくれた。なんにも食わせない時には、その2シビれて働かなかった。
「試みにあらゆる薬や金石草木のたぐいを食わせてみろ」と、ある名医が彼に教えた。
 商人はその教えの通りに、あらゆる物を与えると、唯ひとつ3バイボという草に出逢ったときに、かの腫物は眉をよせ、口を閉じて、それを食おうとしなかった。
「占めた。これが適薬だ」
 彼は小さいの管で、腫物の口をこじ明けて、その管からばいぼの4シボり汁をそそぎ込むと、数日の後に腫物はせて癒った。

むかしの説に、野狐の名は紫狐といい、夜陰に尾を撃つと、火を発する。怪しい事をしようとする前には、かならず5ドクロをかしらに戴いて北斗星を拝し、そのどくろが墜ちなければ、化けて人となると言い伝えられている。
 劉元鼎が蔡州を治めているとき、新破の倉場に狐があばれて困るので、劉は6ホリをつかわして狐を生け捕らせ、毎日それを毬場へ放して、犬に逐わせるのを楽しみとしていた。こうして年を経るうちに、百数頭を捕殺した。
 後に一頭ののある狐を捕えて、例のごとく五、六頭の犬を放したが、犬はあえて追い迫らない。狐も平気で逃げようともしない。不思議に思って大将の家の猟狗を連れて来た。監軍もまた自慢の巨犬を牽いて来たが、どの犬も耳を垂れて唯その狐を取り巻いているばかりである。暫くすると、狐は跳って役所の建物に入り、さらに脱け出して城のに登って、その姿は見えなくなった。
 劉はその以来、狐を捕らせない事にした。道士の術のうちに天狐の法というのがある。天狐は7キュウビで金色で、日月宮に使役されているのであるという。

出典:中国怪奇小説集 著:酉陽雑爼(唐)・岡本綺堂

田舎の娘であろう。縞柄も分らない筒袖の古浴衣に、煮染めたような手拭を頬被して、水の中に立ったのは。……それを其のままに見えるけれど、如何に奇を好めばと云っても、女の形に8カカシを拵こしらへるものはない。
 9ウラボンすぎの良い月であった。風はないが、白露の蘆に満ちたのが、穂に似て、細流に揺れて、雫が、青い葉、青い茎を伝って、点滴るばかりである。
 町を流るる大川の、下の小橋を、もっと此処は下流に成る。やがて潟へ落ちる川口で、此この田つづきの小流との間には、10チョット高く築いた塘堤があるが、初夜過ぎて町は遠し、村も静った。場末の湿地で、藁屋のしい処だから、塘堤一杯の月影も、破窓をさす貧しい台所の棚の明るい趣がある。
 遠近の森に棲む、狐か狸か、と見るのが相応しいまで、ものさびて、のそのそと歩行あるく犬さえ、梁を走る古鼠かと疑はるるのに――
ざぶり、   ざぶり、   ざぶざぶ、   ざあ――
ざぶり、   ざぶり、   ざぶざぶ、   ざあ――
 小豆あらいと云い変化を想わせる。……夜中に洗濯の音を立てるのは、小流に浸った、かかし同様の其の娘だ。……
 霧の這う田川の水を、ほの白い、笊で掻かき、泡沫を薄青く掬い取っては、細帯につけたの中へ、ト腰を捻り状に、ざあと、光に照らして移し込む。
ざぶり、   ざぶり、   ざぶざぶ、   ざあ――
 おなじ事を繰返す。腰の影は蘆の葉に浮いて、さながら黒く踊るかと見えた。

出典:光籃 著:泉鏡花


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