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1993時間目 ~通常更新~

次の漢字の読みを記せ。

レベルⅠ

Ⅰ 殊志

Ⅱ 塗人

Ⅲ 窮策

レベルⅡ

Ⅰ 景従

Ⅱ 仇視

Ⅲ 奇羨

レベルⅢ

Ⅰ 尺沢の鯢

Ⅱ 犂牛の尾を愛するが如し

Ⅲ 穠華

FINAL

枳椇

特別問題A~中学数学~

あるグループがバスを1台借り切って、日帰りの旅行を行くことにした。バス1台を借り切る料金1人3000円ずつ集めると4000円余るが、1人2800円ずつ集めると1600円足りない。このグループの人数を求めよ。 [国立高専]

特別問題B~物理~

大気の上層部には、太陽光線や宇宙線により気体分子が陽イオンと電子とに分離したプラズマ状態にある電離層が存在する。地上から入射した電波が電離層で反映されることを利用して遠距離通信を行うことができる。この問題について考えてみよう。
電子の電荷は-e、質量はm、単位面積当たりの電子数はnとする。以下では座標軸は地表に平行な平面をx-y平面、それに垂直上向きにz軸をとるものとする。
また、真空の誘電率をε0、透磁率をμ0とし、プラズマの比透磁率は1と仮定する。この電離層に電波が地上から入射する状況を考える。それにより、電離層内に誘起された電場が
E=(E0sin(kz-ωt),0,0)
で与えられるものとする。ここで電場E0、波数k、角振動数ωは一定とする。次の設問に答えよ。

(1) 上の電場によってプラズマ中に誘起される電流密度jeおよび変位電流密度jDを求めよ。但し、陽イオンは電子に比べて十分に重く動かないものとし、電子の速度は光速度cに比べて十分に小さいものと仮定して、電場によるローレンツ力は無視せよ。
(2) 設問(1)で求めた全電流によって誘起される電場を求めよ。
(3) 電離層の屈折率を求め、電場が電離層で全反射される条件を求めよ。
(4) ラジオなどに利用される電波は、昼間に比べて夜間はより遠方に届くようになる。その理由を考察せよ。 
[東京工大院]


1993時間目模範解答

レベルⅠ

Ⅰ 殊志・・・しゅし
意味:普通と違ったすぐれた志。

Ⅱ 塗人・・・とじん
①:道を行き来する人。通行人。
②:見知らぬ人。他人。

Ⅲ 窮策・・・きゅうさく
意味:追い詰められた挙句に考え出した案・方法。

レベルⅡ

Ⅰ 景従・・・けいじゅう、えいじゅう
意味:影が形につき従うように、従って離れない。

Ⅱ 仇視・・・きゅうし
意味:かたきのように憎み見ること。

Ⅲ 奇羨・・・きせん、きえん
意味
①:あまり。余分。
②:利益。

レベルⅢ

Ⅰ 尺沢の鯢・・・せきたく(の)げい
意味:見聞の狭いたとえ。

Ⅱ 犂牛の尾を愛するが如し・・・りぎゅう(の)お(を)あい(するが)ごと(し)
意味:愚かな衆生が愛欲の為に身命をやぶるたとえ。

Ⅲ 穠華・・・じょうか
意味
①:盛んに咲いた花。
②:花のように美しい女のたとえ。

FINAL

枳椇・・・けんぽなし[]
クロウメモドキ科の落葉高木。

特別問題A~中学数学~

グループの人数をx人とする。バス1台の料金は、1人3000円ずつ集めると4000円余るから(3000x-4000)円
1人2800円集めると1600円足りないから(2800x+1600)円
よって、3000x-4000=2800+1600 これを解くとx=28 よって28人である。

特別問題B~物理~

(1) cを光速として、電磁場の電場Eと磁場Bとの間に|E|=c|B|の関係があるので、電子の速度の大きさが光速cに比べて小さい場合、運動方程式はm・dv/dt=-e(Ev×B)≒-eEで与えられる。
今、電場Eはx成分のみ与えられているので、上の運動方程式もvxに関してのみ考えればよい。運動方程式をvxについて積分すると
dvx/dt=-e/m・E0sin(kz-ωt)⇔vx=-e/m・E0/ω・cos(kz-ωt)+v0 が得られる。ここでv0は初期条件により決定される定数であるが、入射前の電離層の電子はランダムに運動していると考えられるので、正味の速度は0と考えてよい。以降、v0=0とする
これより電子の運動による電流密度ベクトルのx成分はjex=-nevxne2E0/mω・cos(kz-ωt)と求められ、変位電流ベクトルのx成分はjDx=∂Dx/∂t=ε0・∂/∂t・{E0sin(kz-ωt)}=-ε0E0cos(kz-ωt)
(2) 全電流密度をj=(jx,0,0)で表すと、(1)よりjx=jex+jDx・(ne2/mω-ε0ω)E0cos(kz-ωt) で与えられる。
電磁場の進行方向はポインティングベクトル1/μ0・(E×B)の向きであり、z軸の正の向きである。以上の結果とマクスウェル方程式∇×B=μ0jx=μ0(ne2/mω-ε0ω)E0cos(kz-ωt) が導かれる。
(1)と同様に積分定数を0とすると By=μ00ω-ne2/mω)・E0/k・sin(kz-ωt)となる。
(3) マクスウェル方程式∇×E=-∂B/∂tにE,Bを代入すると(k/ω)2=μ00-ne2/mω2)を得る。屈折率nrは真空中の光速cと媒質中の相位速度vの比なのでnr=c/(ω/k)=√{1-(ne2/mω2ε0)=√(1-ω2p2)で与えられる。
ωp>ωで、kは屈折率とともに純虚数となり、電場は電離層への侵入距離zの関数として指数関数的に減衰する。これが「電離層内を伝搬できなくなる」と述べた状態である。
(4) ωpは電離層表面で全反射されるため電磁波の最大角振動数を与える。(3)式より、これは電子の数密度nとωp~√nの関係にある。
夜間は太陽の影響がなくなるため、nは昼間よりも全体的に小さくなる。したがって、ラジオなどに利用される電波のωに対して、条件ω<ωpを満たす領域の高度は夜間の方が高いので結果、より遠方に電波が届くことになる。

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1994時間目 ~通常更新~

1992時間目 ~通常更新~