(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。
1 まず学ぶことは則傚から始まる。
2 彼の肆吻な物言いが評判を得た。
3 殆どの愛国に長ける強い人たちは韞価の運命を歩む。
4 祖父が死に、家の分配のための鬮分を行った。
5 精神を病み遘疾となる。
6 安倍晋三は今現在日本の鼎鉉である。
7 このときに蔗漿を加えて甘みを立たせるのです。
8 中国での窮裔における弾圧がある。
9 日本は祗服の精神がないと生きていけないような国である。
10 この人は他人の瑕謫ばっかりしか見ない。
11 大気中の瘴煙に冒される。
12 昔の大失敗にも今は矧笑できる。
13 老年になってもいまだ炳燭する。
14 今までの約束をすべて辜負された。
15 詐欺師が自分の財産を鴟嚇する。
16 韓国や中国いわく、日本は廉愧せよという。
17 旭日旗を擁旆したために会社を首になった人がいる。
18 まだ生まれたばかりの褓乳である。
19 彼は弭轍で韋駄天とも呼ばれていた。
20 王の前で、まあ、そこまで悛悛する必要は無かろう。
21 かんかん照りの暑さの中、翌日恤みの雨が降ってきた。
22 助長とは苗を抻ばして枯らしてしまったと言う故事から来ている。
23 片付けて少しは豁けた部屋になっただろう。
24 大雨で閘が崩壊した。
25 王水は金をも銷かす。
26 彼はかなり褊ですぐけんかしようとする。
27 猥りに自ら枉屈し、三度臣を艸廬の中に顧みる。
28 炎上して燠くなる。
29 このアンケートの結果に咢いた。
30 兵隊がマーシャル諸島まで晋む。
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。
1 ホウロウ引きのなべで鯖をする。
2 赤子を宥めスカして眠らせる。
3 安保法案の採決で与野党がセメぎ合いになった。
4 巧みなキジュツで大金を騙し取った。
5 彼にはテンカンの病があるから車の免許が降りない。
6 ギキョウシンにかられて行動をする。
7 そのフギンは屋根の上をも震えさせたという。
8 コミュ障の中には知ってる分野ではジョウゼツになる人もいる。管理人のことである。
9 風邪をひいてヘントウセンが赤く腫れる。
10 アッケにとられる。
11 そのバターはトロけるようなうまさであった。
12 甲子園に絡まっているツルが刈り取られることは検討されているのか?
13 飯盒のツルが熱くなっていてやけどする。
14 キキョして謁を賜る。
15 キキョして仲間の死を弔う。
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。
1 モミジが綺麗な頃合になりました。
2 シキミには毒が含まれている。
3 ブリキとトタンの比較の問題が化学で出題される。
4 飽かぬは君のごジョウ。
5 ごり押しとは魚のゴリが由来となったという説がある。
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を、下の「 」から選び、漢字で記せ。
1 外交官などが任務のためにしばらく外国に滞在する。
2 徳の高い老人。
3 こびへつらうこと。
4 気にかかることがあって、心が安らかでないさま。
5 ごまかすこと。だますこと。
「おうしょう・きゅうそだい・こうこう・せきろう・ちゅうさつ・びゆ・まんちゃく」
(五)次の四字熟語について問1と問2に答えよ。
問1 次の四字熟語の1~10に入る適切な語を下の「 」から選び漢字二字で記せ。
ア ( 1 )北枳
イ ( 2 )一炊
ウ ( 3 )千里
エ ( 4 )毒蛇
オ ( 5 )無声
カ 横行( 6 )
キ 富貴( 7 )
ク 博引( 8 )
ケ 折花( 9 )
コ 面折( 10 )
「あじゃく・ごうり・こうりょう・こうりょう・ていそう・なんき・ばっこ・はんりゅう・ふくたく・ぼうしょう」
問2 次の11~15の解説・意味に当てはまるものを問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。
11 初めてをつつしむべきこと。
12 富んで位高く幸福なこと。
13 色街で遊女と遊ぶこと。
14 不気味で恐ろしいもののたとえ。
15 人も住む環境によってよくも悪くもなる。
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。
1 紅玉
2 桃花鳥
3 山芹菜
4 蒟醤
5 野鴉椿
6 海州常山
7 啄木鳥
8 白朮
9 巫山戯る
10 五月蝿
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送り仮名に注意して)ひらがなで記せ。
ア 咨扣 - 扣ねる
イ 窩蔵 - 窩す
ウ 俶儻 - 俶れる
エ 宿搆 - 搆える
オ 環翊 - 翊ける
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の「 」の中から選び、漢字で記せ。「 」の中の語は一度だけ使うこと。
1 隠栖
2 愚昧
3 練達
4 蕭条
5 起筆
6 臨終
7 秀才
8 迎合
9 好都合
10 嚆矢
「いんしん・かくひつ・かくりん・くっきょういち・こうごう・しゅつろ・そうけい・そだい・ふかん・らんしょう」
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。
1 コショウの丸呑み。
2 人生根蔕なく、飄としてハクジョウの塵の如し。
3 コケを惜しむ。
4 大象はトケイに遊ばず。
5 文王死人のムクロを葬る。
6 猿がヒエを揉むよう。
7 大きにメイテイの常灯明。
8 日下ケイケイ無し。
9 ドウコウを紹ぐ。
10 シュヒの頭目を扞ぐが如し。
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。
車は1ハせ、景は移り、境は転じ、客は改まれど、貫一は易らざる他そのア悒鬱を抱いだきて、遣る方無き五時間の独に2ウみ憊れつつ、始て西那須野の駅に下車せり。
直ちに西北に向ひて、今尚いイ茫々たる古いにしへの那須野原に入いれば、天はウ濶く、地はエ遐かに、唯3ヘイブの迷ひ、断雲の飛ぶのみにして、三里の4タント、一帯のオ重巒、塩原は其処ぞと見えて、行くほどに跡は窮らず、漸く千本松を過ぎ、進みて関谷村に到れば、人家の尽る処にカ淙々の響有りて、これに架かれるを入勝橋と為す。
キ輙ち橋を渡りて5ワズかに行けば、日光冥く、山厚く畳み、嵐気冷かに壑深陥りて、幾廻せる6ツヅラオリの、後には密樹に声々の鳥呼び、前には幽草歩々の花を発き、いよいよク躋れば、遙かに木隠れの音のみ聞えし流の水上は浅く露れて、驚破や、ここに空山の雷白光を放ちて頽れ落ちたるかと凄じかり。道の右は山をきりて長壁と成し、石幽に蘚碧うして、幾条とも白糸を乱し懸けたる細瀑小瀑の珊々としてケ濺げるは、嶺上の松の調べも、定めてこの緒をよりやと見捨て難し。
俥を駆りて白羽坂を踰えてより、回顧橋に三十尺の飛瀑を蹻みて、山中の景は始て奇なり。これより行きて道有れば、水有り、水有れば、必ず橋有り、全渓にして三十橋、山有れば巌有り、巌有れば必ず瀑有り、全嶺にして七十瀑。地有れば泉有り、泉有れば必ず熱有り、全村にして四十五湯。7ナオ数ふれば十二勝、十六名所、七不思議、誰か一々探り得べき。
抑塩原の地形たる、塩谷郡の南より群峰の間を分けて深く西北に入り、綿々として箒川の流にコ泝る片岨の、四里に岐れ、十一里に亙りて、到る8ザンガンの水を夾まざる無きは、宛然青銅の9ヤゲンに10ルリ末を砕くに似たり。
(尾崎紅葉[金色夜叉]より)
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